12月2日は何の日?正解は…会社を守る“あの資格”の日です!

あまり知られていませんが、12月2日は「社労士の日」です。毎年12月2日は「社労士の日」と定められています。この記念日は、全国社会保険労務士会連合会によって定められており、1968年(昭和43年)12月2日に社会保険労務士法が施行されたことに由来します。

ここでは、社労士の日の由来や社会保険労務士制度の歴史、社労士に求められている役割、企業にとって社労士がどのような存在になれるのかを、社労士事務所の視点から解説します。

目次

なぜ12月2日が「社労士の日」なのか?

社会保険労務士法施行の日に由来

「社労士の日」は、1968年(昭和43年)12月2日に社会保険労務士法が施行されたことを記念して制定されました。
社会保険労務士法は、労働および社会保険に関する法令の円滑な実施、事業の健全な発達、労働者等の福祉の向上に資することを目的とした法律です。この法律により、「社会保険労務士」という国家資格が制度として整備されました。

社労士の日に行われる取り組み

毎年12月2日前後には、各都道府県の社会保険労務士会が中心となって、無料相談会や広報キャンペーンなどさまざまな取組が実施されています。企業の経営者や人事担当者、働く方々に社労士の役割を知っていただく貴重な機会になっています。

現代における社労士の使命

働き方改革やパワハラ防止法制、少子高齢化に伴う人材不足など、人と雇用をめぐる環境は年々大きく変化しています。その中で社労士には、単に手続き代行を行うだけでなく、「人を大切にする経営」を支える専門家としての役割が強く求められるようになっています。

社会保険労務士制度の誕生と発展の流れ

戦後日本の制度整備と社労士誕生

戦後の復興期に合わせて日本の雇用・労働体制が確立されるとともに、社会保障制度の整備が急ピッチで進められました。これに伴い、多様化した中小企業の労務管理への対応や、社会保険に関する事務処理に専門的な知識や経験が必要とされるようになりました。こうした状況から、これらの事務を専門的に行う職業として誕生したものです。

一方で、これらの代行業務を請け負う際に、著しく高額な報酬を求めたり、労働争議に不当に介入する者が現れるようになりました。こうした状況から、「業界団体を結成し、自主的な規律の確立と資質の向上を図るべきだ」という機運が高まっていきました。この流れを受けて、「労務管理士」や「社会保険士」といった資格が誕生しました。

その後、「労務管理士」と「社会保険士」は広く認知され、社会における重要性も増していきました。こうした動きを受け、両制度を統合して法制化する流れが活発になり、昭和43年6月3日に社会保険労務士法が公布され、同年12月2日に施行されました。

連合会の設立と制度の発展

法制定当時は、(社)日本労務管理士協会や(社)日本社会保険士会を中心に複数の団体が併存していました。しかし、昭和53年5月に第1次社会保険労務士法改正が行われ、法定団体として都道府県ごとの「社会保険労務士会」が設置されるとともに、連合組織として「全国社会保険労務士会連合会」が設置されました。

制度誕生の背景には、「専門性の高い労務・社会保険の業務を、安心して任せられる国家資格者に担わせる」という目的があります。その流れは現在の「社労士に任せることで、企業は本業に集中できる」という役割にもつながっています。

社会保険労務士の主な仕事と役割

「人」と「法律」と「現場」をつなぐ専門家

社会保険労務士(社労士)は、労働・社会保険に関する法律や制度の専門家です。企業における採用から退職までの一連のプロセスに関わり、法律と現場の橋渡しをする役割を担っています。社労士の業務については、 全国社会保険労務士会連合会「社労士の仕事」 に詳しく整理されています。

社労士の主な3つの業務区分

1号業務:手続き代行(独占業務)

  • 労働及び社会保険に関する法令に基づいた申請書等の作成
  • 申請書等に関する手続き代行
  • 労働及び社会保険に関する法令に基づいた、申請、届出、報告、審査請求等の代理 など

社会保険労務士が行う1号業務は、労働や社会保険に関する法令に基づいた申請書類の作成や行政手続きなど、専門性を伴う手続きを企業に代わって行う独占業務です。助成金の申請についても、基本的には社労士だけが扱える分野となっています。

たとえば、労働保険の年度更新や健康保険の各種給付に関する手続き、審査請求・異議申立て・再審査請求などの不服申立て業務、助成金の申請など、多岐にわたる手続きが1号業務として位置付けられています。

2号業務:帳簿書類の作成(独占業務)

  • 労働者名簿・賃金台帳の作成
  • 就業規則・賃金規程・育児介護休業規程などの作成・見直し
  • 36協定など各種労使協定書の作成・届出

労働基準法などの労働関係法令では、企業が従業員を雇う場合、労働者名簿・賃金台帳・出勤簿の作成と保管が義務付けられています。これらは「法定三帳簿」と呼ばれ、どの企業も例外なく整備しなければならない重要な帳簿です。社会保険労務士は、こうした帳簿の作成や整備を企業に代わって行うことができ、適切な労務管理の実践をサポートします。

また、就業規則には法令で定められた必須記載事項が多く、労働関連の法律は改正が頻繁に行われるため、自社だけで逐一更新し続けるのは大きな負担になります。内容を誤ってしまうリスクもあるため、就業規則の作成や見直しは専門家である社労士に相談することをおすすめします。

3号業務:コンサルティング

  • 働き方改革への対応
  • 賃金制度・評価制度の設計
  • ハラスメント防止体制の構築
  • 人材定着・離職防止の施策

人事・労務全般に関する相談やコンサルティングも社労士の重要な役割です。働き方改革や人材定着、ハラスメント防止など、現場の課題に寄り添った支援を行います。

全国社会保険労務士会連合会が、社会保険労務士の業務内容をより分かりやすく知っていただくための解説動画を2本公開しています。下に動画を掲載していますので、ぜひご覧ください。

中小企業にとって「社労士の日」が持つ意味

労務体制を見直すタイミングとして

社労士の日は、自社の人事・労務体制を見直すきっかけとして活用できます。 次のような点を一度チェックしてみるのがおすすめです。

  • 就業規則・賃金規程が実態と最新の法令に合っているか
  • 残業時間や休日、有給休暇の管理は適切か
  • ハラスメント防止の体制や相談窓口が整っているか
  • 人材が定着しやすい職場づくりができているか

中小企業・小規模事業者こそ社労士を活用してほしい理由

中小企業や小規模事業者では、経営者が現場業務と管理業務を兼務しているケースも多く、人事・労務まで十分に手が回らないのが実情です。そうした中で社労士に相談・依頼することで、次のようなメリットが期待できます。

  • 自社の実情に合った就業規則や勤務シフト、人事制度の整備
  • 国・県・市町村の助成金や補助金の活用支援
  • 労務トラブルの未然防止と、いざという時の相談窓口
  • 働きやすい職場づくりによる人材定着・採用力の向上

濵渦社会保険労務士事務所としての取り組み

濵渦社会保険労務士事務所では、 次のような業務に取り組んでいます。

  • 労働・社会保険手続きのアウトソーシング
  • 就業規則・賃金規程・人事評価制度の作成および見直し
  • 各種助成金・補助金申請の相談・サポート
  • 事業継続力強化計画の策定支援 など

「労務管理のことを誰に相談すればよいか分からない」「助成金を活用したいが不安が多い」といったお悩みでもかまいません。 小さなご相談から一緒に整理していきます。

よくある質問(FAQ)

社労士にはいつ相談すればよいですか?

労務トラブルが起きてからでもご相談は可能ですが、本来は問題が起きる前の「予防」の段階で関わるのがおすすめです。 就業規則の見直しや新しい制度の導入時など、「このままで大丈夫かな」と感じたタイミングでお気軽にご相談ください。

従業員が少ない小さな会社でも依頼できますか?

はい、専任の人事担当者を置くことが難しい小規模事業者こそ、社労士を活用するメリットが大きいといえます。

初回相談ではどのようなことを話しますか?

会社の業種や規模、現在感じている課題を伺いながら、必要な手続きや整備すべきポイントを一緒に整理していきます。 相談内容が明確でなくても問題ありません。こちらから順番にお聞きしますのでご安心ください。

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